makcolli2017年11月28日読了時間: 8分悶絶!! どんでん返し東大卒、自身の父親が重役を務める会社で何不自由なく過ごしていた北山であったが、谷ナオミが猛烈にノーパンでサービスするキャバレー・メキシコに行ったところから運命は狂い始めた。 ナオミが北山と結合したまま、そのアパートの階段を登り、部屋に入りとそこにはむちゃくちゃがさつなチンピ...
makcolli2017年10月25日読了時間: 14分運が良けりゃ山田洋次は「男はつらいよ」を撮り続けるようになる以前、ハナ肇を主演とした『バカが戦車でやってくる』や、『バカ丸出し』といったような「バカ」シリーズを連発していた。 この作品『運が良けりゃ』は、そう言った一連のシリーズから派生した時代劇なのであろうか。それも落語の代表的な演目...
makcolli2017年10月23日読了時間: 16分吹けば飛ぶよな男だがなべおさみの芸能人生で一番輝いていた時期は、いつだろう。 とりもなおさずそれは、息子、なべやかんの明大裏口入学発覚から始まった一連の〝事件〟であった。 なべが語る楽屋に現れた謎の老紳士。そしてサメが出現して困っているという漁港に赴き、サメを退治すると称したシャークハンター必...
makcolli2017年10月15日読了時間: 13分氾濫DVDのジャケットには若尾文子の顔が、でかでかと写っている。 しかも監督は増村保造。と、くれば若尾文子をヒロインにした作品なのかと思っていたが、そうではなかったので、まず肩透かしを食らった。 大映映画『氾濫』は佐分利信や川崎敬三、沢村貞子などを中心とする群像劇である。その群...
makcolli2017年9月9日読了時間: 7分赤ちょうちん時代の要請に応える。それもプログセムピクチャー監督の仕事だろう。 日活は音楽ものを得意としてきた。そもそも俳優や女優がヒット曲を連発していた。石原裕次郎、小林旭、浅丘ルリ子、吉永小百合。中堅どころでは山内賢と和泉雅子のデュエットによる「ふたりの銀座」も良いし、その山内賢や和...
makcolli2017年9月8日読了時間: 16分喜劇 爬虫類その映画はこんな感じで始まる。 金髪に青い目をした白人女がストリップを披露している。食い入るようにそれを見つめる男たちの目の接写。 「みなさま~。ご当地に初お目見えいたしまするこのメリー・ハローは、本物のストリッパーではございません。アメリカ合衆国はペンシルバニアの生まれで...
makcolli2017年9月2日読了時間: 7分徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑毒をくらわば皿まで。それが乾いた心に一服の清涼剤をもたらすこともある。 69年当時、異常性愛路線を連発していた石井輝男の撮影現場にいた牧口雄二は、その監督の人を人とも思わぬ演出ぶり、そして狂気そのものの撮影現場に嫌気がさし、逃げ出した。...
makcolli2017年9月1日読了時間: 5分ウルフガイ 燃えろ狼男某日、千葉ちゃん主演の『ウルフガイ 燃えろ狼男』をフィルムセンターで見て来た。 神波史男。その脚本家に意識的になったのは、つい最近だった。振り向けば神波史男の作品をそうとは知らずに見ている自分がいた。 『女囚701号 さそり』、『0課の女 赤い手錠』、『沖縄やくざ戦争』、『...
makcolli2017年8月31日読了時間: 10分学校II『学校II』である。山田洋次の『学校』の続編である。 舞台は北海道の養護学校。 そこで教師の西田敏行と永瀬正敏は、生徒である吉岡秀隆と神戸浩の行方が分からなくなったという情報を聞き二人を探し始める。 二人はライトバンで二人を探してゆくのだが、そこへ入学式からのエピソードが挿...
makcolli2017年8月29日読了時間: 6分山口組外伝 九州進攻作戦結論から書くと、不発弾。 こてこての任侠映画と、実録やくざ映画の違いはどこにあるのかというと、前者が義理と人情に生きる男が、いいもんのやくざ対悪者のやくざという割と単純な構図のなかで、苦悩しつつも最後には長ドス持って、着流し姿で単身殴り込みをかけるというものであったのに対し...
makcolli2017年8月27日読了時間: 13分従軍慰安婦幻の映画というものがある。 見たくてもソフト化されていなかったり、そもそも上映の機会がないという映画がある。 がゆえに、そのような映画はどうしても見てみたくなるというのが、人間の、いや映画ファンの心情というものだろう。 『従軍慰安婦』...
makcolli2017年8月1日読了時間: 5分落ち葉とくちづけ玉石混淆。有象無象たちがひしめきあっていたGSブームであるが、そのなかでもアルバムを出せるなんていうバンドはまだいいほうで、ましてや主演を張れる映画が作られるなんていうバンドはよほどラッキーだったんだと思う。 ヴィレッジ・シンガーズである。今ではほとんど再評価されることのな...
makcolli2017年7月31日読了時間: 8分男の顔は履歴書某日、渋谷シネマヴェーラで特集中の、「加藤泰傑作選」のなかの『男の顔は履歴書』(66年)を見に行く。 加藤泰と言えば時代劇や任侠映画で数多くの秀作、傑作を遺した職人監督、活動屋とも言える監督だ。 特に俺はやはり藤純子を大スターにした「緋牡丹博徒」シリーズが好きなのだが、この...
makcolli2017年7月24日読了時間: 11分家庭の事情大映映画の特徴のひとつとして、画面が重厚であるということがある。 それは増村保造にしてもそうだし、川島雄三にしてもそうでし、時代劇を得意とする三隅研次にしてもそうである。 だがそのなかでも特に絵画性を感じさせるのが、吉村公三郎である。...
makcolli2017年7月19日読了時間: 15分日本悪人伝血まみれの夢というものもある。 映画『日本悪人伝』のなかで、若山富三郎はその夢を体現化した。 昭和8年。初夏。 打ち続く不況の中で、若山富三郎は醤油を煮詰めたような服を着て、浅草界隈を彷徨っていた。 雑踏の中、おもむろに力士と肩がぶつかり、そのまま路上へ倒れる富三郎(以下、...
makcolli2017年7月18日読了時間: 13分ど根性物語 銭の踊りファーストシーンのワンカット目。ローアングルに構えた画面の奥から、ダンプカーがもの凄い勢いで疾走してくる。そのまま道路を渡っていたおっさんはひき逃げされた。 それを目撃した運転手である勝新太郎。猛然とダンプを追跡しはじめる。後部座席には客である船越英二が乗っているのだが、砂...
makcolli2017年6月26日読了時間: 8分男はつらいよ フーテンの寅渥美清がまだ「車寅次郎」に拘束される前の「男はつらいよ」を見るのはいいものである。 シリーズ第三作目『男はつらいよ フーテンの寅』で、のびのびと寅さんを演じる渥美清にその感を抱いた。 しかも監督は山田洋次ではなく、敬愛する森崎東。だが森崎東と渥美清は、『喜劇 男は愛嬌』、『...
makcolli2017年6月16日読了時間: 6分穴 話はかなり入り組んでいる。 ルポライターであるところの京マチ子は、警察から入手した情報をもとに刑事であるところのSの不正を雑誌に掲載した。 ところがそれを読んだ菅原謙二は、イニシャルで書いてあるが、自分のことが書いてあると思い、雑誌社に乗り込み抗議した。...
makcolli2017年6月14日読了時間: 10分満員電車土砂降りの大学の卒業式。 しかも講堂が燃え落ちたために、学生、並びに職員は激しい雨に打たれている。 その中で式辞を読み上げる総長。 監督は市川崑。 モノクロの画面の中、傘を差して居並ぶ学生たちを映し出している。何かその画面にはリアリティーを感じる。...
makcolli2017年6月14日読了時間: 4分エロス+虐殺はやく終わんねえかなー。 見ている最中に、そう思う映画もそうざらにあるものじゃない。 吉田喜重監督作品『エロス+虐殺』(70年)は、大正時代の無政府主義者・大杉栄とその愛人、伊藤野枝、神近市子、さらに大杉の妻からなる四角関係を描いている。...