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海人の化物屋敷
なぜあんなにも新東宝と言う映画会社は、「海女映画」を量産したのだろう。時代は50年代の後半。映画のスクリーンがまだ、銀幕と呼ばれ、そこに映る俳優、女優は銀幕のスターと呼ばれていた時代である。 当時、日本の映画産業は全盛時代で、テレビの普及率も低く、庶民たちは娯楽を求めて映画館に詰め掛け、銀幕のスターたちに熱い視線を送った。 それなのに新東宝という映画会社は、「海女映画」をこれでもかと言わんばかりに作っていった。 小津安二郎が『東京物語』、成瀬巳喜男が『浮雲』を撮っている時代にあって、新東宝という会社は「海女映画」を量産していった。 そこには活弁士あがりの新東宝社長、大蔵貢のこのような考えがあった。 「狸映画を撮れ!狐映画を撮れ! 各社が気取った映画を撮っているうちに、うちはお化け映画を撮るんだ!」 この社長命令によって新東宝は、エログロナンセンス路線をひた走ることになるのだが、中でも力を入れていたのが、「海女映画」ではないかと思う。 しかし、大蔵貢の現在から見ても先鋭的すぎる考えが災いし、新東宝は1961年に倒産した。まさに邦画界の徒花として新東

makcolli
4 日前読了時間: 14分


最高殊勲夫人
この作品のファーストシーンは、丸の内のオフィス街の空撮から始まる。そこに被さるウェデングマーチ。今まさに一社を挙げての盛大な結婚式が執り行われようとしていた。 と、いつものように見た映画の文章を記憶している限り、ファーストシーンから書いていけばいいのかもしれない。だが、つまらない作品、見ていても退屈な映画というものも当然ある。 なぜ自分がこの映画『最高殊勲夫人』を見てみようかと思ったかと言うと、まず主演が好きな女優の若尾文子だからである。さらに監督が増村保造で、この二人のコンビは20本近い映画を生み出し、日本映画史における傑作をものしてきた。 例えば『赤い天使』、『刺青』、『卍』、『濡れた二人』、『青空娘』など。その作風の特徴と言えば、主人公である若尾文子が主体性を持ち、一個の人格を持った女を演じるというところにある。 このように書くと堅苦しい、あるいはフェミニストの先駆けのようなキャラクターと思われるかもしれないが、増村保造が引き出した若尾文子が演じる女と言うのは、本能的に生きる、つまり自らの性に関して素直に従う女なのだ。 その若尾文子演じる女
高橋宏幸
7月18日読了時間: 17分


関東テキヤ一家 喧嘩仁義
関東浅草、テキヤの組である菊水一家の国分(菅原文太)と、その弟分である五郎(南利明)は、大阪浪花升一家の葉山良二を頼って、新幹線にて大阪入りしたが、その新大阪駅を出たところで、一人のトルコ嬢(現ソープ嬢)が暴力団に拉致されかけているのを見て、早速暴力団たちをのしてしまった。 とにかく、この国分、喧嘩っ早いのが特技のような男で、行く先々で誰彼構わず喧嘩を仕掛けてしまう。 葉山は浪花升一家の時期跡目、有力候補として一家をまとめていたが、一家の中にはそんな葉山を快く思わない者もいた。 それが名前は分からないのだが、現代劇、時代劇を問わず小悪党をやらせたら彼の右に出る者はいないという俳優で、仮にTと呼ぶことにしよう。そのTは浪花升一家の帳元、加藤嘉が病床から葉山に、一家を頼む的なことを言うのを、冷めた目で見ていた。 葉山、国分、五郎は早速、新世界の街に繰り出し飲み明かそうと言うことになったのだが、入った店で国分は流しの男が肩にぶつかってきたと言う理由だけで、その男をぶん殴った。その男こそ誰あろう。我らが梅宮辰夫で、辰兄は、 「ふっ。悪いけど効かねえよ」.

makcolli
2月10日読了時間: 16分
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