makcolli2017年4月10日読了時間: 13分処女が見たアマ映画。 この場合のアマは尼でも海女でもいい。とにかく60年代の邦画界では、アマ映画が一種定番のように流行っていたようだ。 そこは京都の禅宗における尼寺。そこに訳あって女子高生の安田道代は預けられた。 そこの庵主が若尾文子。そして弟子のオバはん尼がいて、掃除や洗濯などの世...
makcolli2017年4月10日読了時間: 10分白昼堂々百貨店屋上のペットコーナーで泳いでいる金魚を見て、子どもが父に問う。 「ねえ。なんで金魚さんは泳いでいるの?」 「だって金魚さんは、泳がないと沈んでしまうだろ」 金魚は泳がないと、沈んでしまう・・・ その屋上のベンチで脂の乗り切った藤岡琢也と、渥美清は謀議を練っていた。...
makcolli2017年4月10日読了時間: 15分脱獄・広島殺人囚それは昭和22年、嵐の夜のことだった。 「これは純度99%のものだっせ。あんじょうサバイテや」 渡瀬恒彦は闇屋である東映が誇る怪優・汐路章にそう言ったが、振り向くと汐路は拳銃を握っていた。 「楽にあの世へ送ってやるさかい。心配すな」...
makcolli2017年4月10日読了時間: 15分暴動島根刑務所1975年。映画史に燦然と輝く一本の作品が公開された。 中島貞夫監督、松方弘樹主演作品『暴動島根刑務所』。 その主人公である男の突撃列車・松方弘樹は、開始二分でヤクの売人にして、東映の絶倫帝王・名和宏をぶち殺したが、約二ヶ月後、絶倫帝王の死体が発見されると、そのまま島根刑務...
makcolli2017年4月10日読了時間: 12分松方弘樹よ!永遠なれ!〝男の突撃列車・松方弘樹〟の死が全世界に波紋を投げ掛けてから、しばらく経つ。 松方さんに対する思いは、人一倍ある。 だが何故か、その思いの丈をいつものように、文章としてぶつけようという気にはならなかった。 単純に疲れていたのか。それともあまりにも書きたいことがありすぎて、ど...
makcolli2016年10月13日読了時間: 11分ヨーガの哲学最近、東光寺の阿字観瞑想に行くと、ヨーガを実践している人たちがくることが多い。 阿字観が終わったあと、住職も含めて雑談になるのだが、当然のことながら話はヨーガと阿字観との共通性などに及ぶ。 元来、密教も好きだがヒンドゥー教や、その実践方法、ヨーガにも多大な関心を抱いてきた自...
makcolli2016年4月1日読了時間: 10分観音菩薩と龍神をめぐる雑孝その関心は、かなり以前から抱いていたのだと思う。 密教の修法で大事にされるものに、宝珠というものがある。この宝珠を祀れば、どのような願いも不思議な力によって、叶えられるというマジカルなボールなのことである。 だが中世になると、この宝珠を僧侶らが人工的に生み出す、能作性宝珠の...
makcolli2015年9月10日読了時間: 5分三尊合行法 もしくは一仏二明王法に関する雑考密教の行法に三尊合行法というものがある。 中央の本尊に対して、脇侍として左に愛染明王、右に不動明王を配して拝むものだ。 この三尊合行法を始めて知ったのは、多分2011年に県立金沢文庫で行われた「愛染明王 愛と怒りのほとけ」展に行ったことがきっかけだったと思う。...
makcolli2015年6月25日読了時間: 6分SLY STONE某日、スライ•ストーンのドキュメント映画『SLY STONE』を 観に行く。 そりゃ俺みたいな人間にとっては、JB、P-FUNK、スライは三種の神器ってなもんで、ブラックミュージックにずっぽりはまり込むきっかけになったのだが、JBがキングのウェイ・オブ・サバイバルを貫き、な...
makcolli2015年2月22日読了時間: 6分唯識論に関する一雑考仏教の世界認識論に唯識というものがある。 世界を構成しているのは、ただ人間の意識だけであるとするものである。 この唯識論を知ったのは確か、もう20年くらい前、ダライ・ラマが来日した際の法話で、 「目の前にコップがあるからコップがあるのか。コップがあると認識している自分がいる...
makcolli2015年1月22日読了時間: 4分皆殺しのバラード某日。横浜、黄金町にあるシネマジャック&ベティに山口冨士夫のドキュメント映画『皆殺しのバラード』を見に行く。 あれから一ヶ月近く経つが、俺の脳内には永遠にロックし続ける山口冨士夫の姿が焼き付けられている。 その冨士夫の姿を見ながら思った。後悔したと。...
makcolli2014年12月11日読了時間: 10分吉田神道の四百年 神と葵の近世史神道界において最も権威ある神社とはどこだろうか? やはり伊勢神宮であろうか?それとも出雲大社であろうか? しかし、そのふたつとも違うのである。現在の京都大学の近くにある吉田山にひっそりと鎮座している吉田神社。こここそがおよそ室町期から江戸時代まで、神道界の王道を歩いてきた吉...
makcolli2014年12月6日読了時間: 7分健さん。ありがとう健さんの死にあたり、なにを書けばいいのだろうか? とにかくリアルタイムで見た作品は『南極物語』だった。あの作品をガキの頃見に行った時、うしろに座っていたおっさんが途中でトイレに行き、その間のストーリーが頭の中に入っていなかったので、戻ってくると、...
makcolli2014年12月1日読了時間: 7分仁義なきトークショー11月29日。川崎市民ミュージアムで特集された「映画脚本家・笠原和夫」の中の『仁義なき戦い 広島死闘篇』、『仁義なき戦い 代理戦争』を見に行く。 やはり映像によるカンフル剤は、これ以上のものはないという感慨を抱く。 とにかく頭梅毒でやられちゃっている大友(千葉ちゃん)は、ガ...
makcolli2014年10月2日読了時間: 5分安藤昇に関するエトセトラファーン、ファーン・・・ それはフランジャーのかかったギターの音だろうか?それともアナログシンセの音だろうか? ファーン、ファーン・・・ その音色のなかに安藤昇の語りが滑り込んでくる。 おい。糸のないギターを弾いてくれ。 風にゆれるしだれ柳のように切ないやつを。...
makcolli2014年9月24日読了時間: 2分夜は千の目を持つPart1 「人の為と書いて 偽りと読むのね」 の冒頭で始まる矢吹健の「夜は千の目を持つ」は、こんな秋の夜長だからこそ聞きたい名曲である。 まっぴかりな昼の太陽が姿を消した夜の漆黒だからなのか? 逆に千の目の気配を感じ、見張られている予感にかられる。それはネット社会という高...