今回はツノガエルの飼育の基本となるケースと床材について書いてみようと思います。
私は飼育ケースにアクリルケースを使っているのですが、これは保温方法にパネルヒーターを使っていた時の名残のようなもので、また保温方法について詳しく書く機会があれば記しますが、ケースの床面に敷いて使用するパネルヒーターを使う際は、プラスチックよりもアクリルのほうが熱伝導率が高いので、アクリルケースを選んだのですが、現在はパネルヒーターによる保温法はやめたものの、もったいないのでケースはそのままアクリルケースを使っていると言った感じです。
ですので、どの飼育ケースを使用するかは個人の嗜好性によるところが強いと思いますし、プラスチックケースで飼育されている方も多いと思います。
ちなみに私が使っている飼育ケースは、ビバリアというメーカーのもので、熱帯魚店で購入しました。このビバリアの正方形ケースはサイズも豊富にあり、ツノガエルの成長度合いに応じて使っています。
ツノガエルを飼育している方なら分かると思うのですが、ツノガエルって普段は置物のようにケースの中で、じっとしていて動かないですよね。
これはツノガエルの捕食方法が待ち伏せ型で、一点で動かず目の前にきたモノを食べる習性によるものです。 ですからケースは特段に大きいものを用意する必要はありません。
かと言って小さすぎるとケースの壁と、ツノガエルの顔がくっついてしまいかわいそうなので、適切な空間を保てるような大きさのケースがいいと思います。 次に床材なのですが、これがツノガエルを飼う上でかなり重要な要素であると私は考えています。 ツノガエルの床材のパターンには、次の三つのものがあると思います。
1 水を張るだけ
2 水分を含ませたウールマットを使用する
3 水分を含ませた土などを入れる
このうち私はウールマットを使った飼育方法は行ったことがないため、1と3に関することを書いてみます。 ちなみに1、2、3のどれにも水分は欠かせないのですが、それはツノガエルを含めた両生類が口からではなく、肌から水分を吸収しているためです。乾燥した環境下にツノガエルを置いておくと、水分が吸収できなくなり死に至ってしまうので注意が必要です。
私は長年、ケースに水を張った飼育方法を行なってきました。しかし水を張ると言ってもツノガエルのアゴの下ぐらいまでです。
仮に水がツノガエルの顔が隠れるぐらいにきてしまうと、ツノガエルは確実に息を吸えなくなって溺死してしまうと思います。
ツノガエルは陸上性のカエルで、普段野生では湿った土や腐葉土の中にいて、産卵期にだけ水辺にやってくる習性のカエルなので、泳ぎがうまいわけではありません。
日本のカエルに例えるとヒキガエルが分かりやすいでしょうか。
ツノガエルを飼ってからしばらくして、この習性を知った私は土の中に潜らせてみることにしました。この時に購入した土がピートモスという園芸用のもので、どこでその情報を得たのか忘れたのですが、ホームセンターの園芸コーナーに行って、ピートモスを購入し、ケースの中にピートモスを入れてみました。
するとツノガエルは目だけを出して、ピートモスの中に潜りました。そこへコオロギを投入すると土の中から現れた怪獣のように、ガバッと身体を持ち上げ、そのままコオロギを一飲みにしてしまったのです。
これはツノガエルの中に宿っている野生を見た瞬間でした。
それからなぜか覚えていないのですが、ピートモスによる飼育をやめてしまい水を張っただけの飼育法に切り替え、現在飼っているクランウェルツノガエル(名前は勝新太郎)も水張り飼育法で飼っていました。
しかし現在は勝新の飼育を開始して二年目なのですが、急に餌を食べなくなってしまいました。いわゆる「拒食」というやつですが、観察しているとどうもケースの中で落ち着かない様子。
ケースのはじの方で床を蹴ってピチャピチャやっている。
これはどうも土に潜りたいのではと思い倉庫にしまっているピートモスを出してきて、ケースの中に入れました(ちなみに一緒に飼っているタイガーサラマンダーの床材にピートモスは常備しています)。
すると今度は、勝新は全身が見えなくなるほど、ピートモスの中に深く潜っていってしまいました。これでは餌やりどころではありません。
そこで思いつきました。最近はフロッグソイルなるツノガエル専門の床材があることを。私が住んでいる街には、爬虫類・両生類の専門店があるので、フロッグソイルを買い求めケースの中に投入し、そこへ勝新を入れ1週間ぐらい様子を見ていました。勝新はちょうどいい感じにソイルの中に潜っています。
そこへ餌であるピンクマウスをピンセットで、目の前に持っていくと、食べるというよりも凄い勢いで食いついてきました。二ヶ月ぐらい餌を食べていなかったので、これには感動すると共にフロッグソイルの効果というものを実感しました。 次回はこのフロッグソイルの効果などを、もう少し詳しく書いてみようと思います。
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